「熱中症に注意を」

ここ数年、全国で熱中症が原因で医療機関に搬送されることが多くなっています。総務省消防庁の発表では、今年6月20日の週より急激に搬送件数が

増加し、過去最高となっています。また、厚生労働省の発表では、2020年の熱中症起因の死亡者数は1,528人で、その86%が65歳以上の高齢者と

なっています。地球温暖化やヒートアイランド現象等が問題視されたりしていますが、熱中症発症のメカニズムを理解して予防することが重要です。

では熱中症とは・・・、その前に、

 

人には「恒常性維持機能」が備わっており、常に体内の環境を一定に保とうとする調節機能があります。たとえば、体温が上昇した際には汗をかき、

汗が蒸発する時の気化熱で体温を下げようとする機能などです。この維持機能を支えているものに、「自律神経系」「内分泌系」「免疫系」があります。

加えて近年では「腸内細菌」もその役割を担っているのではないかと言われています。ちなみにダイエット中の停滞期は、「もっと体重が減って欲しい」

と思っている本人の気持ちに反して、体が飢餓状態を恐れて無意識に餓死しないようにブレーキをかける状態で「恒常性維持機能」のひとつです。

人が命を維持するために必要な機能です。

 

では熱中症とその症状について説明いたします。

 

熱中症とは、「高温環境下で、体温の調節機能が破綻するなどして、体内の水分や塩分などのバランスが崩れて発症する障害」です。

スポーツや仕事などの活動中に起きる「労作性熱中症」、日常生活の中で起こる「非労作性熱中症」があります。個人差はありますが、

気温・室温が高い、湿度が高い、陽射しが強い、風が弱いなどの環境下で、人が活動し体内に熱が産生されたり、暑い環境に体が対応

できなかったりして発症します。

 

熱中症の症状には、重症度Ⅰ度からⅢ度まであり、重症度Ⅲ度になると致死率が30%になるというデータもあります。以下はその症状です。

 

▶ 重症度Ⅰ度:手足のしびれ、めまい、立ちくらみ、気分が悪い、ボーッとする、

筋肉のこむら返り など

 

▶ 重症度Ⅱ度:体がだるい、頭痛、吐き気がする、吐く、意識が何となくおかしい

など

 

▶ 重症度Ⅲ度:真っ直ぐ歩けない、走れない、けいれん、呼びかけに返事がない、

体が熱い など

 

 

症状が認められたら、

・涼しい場所へ避難し、服をゆるめ、濡らしたタオルを当てたり、あおいだりする

・脇の下、両側の首筋、足の付け根など体を積極的に冷やす

・冷やした水分、塩分を補給

・自力で水分が摂れなければ病院へ

・必ず誰かが付いて見守る

 

また、この時期は自動車の車内温度に注意が必要です。エアコン停止後5分で警戒レベルに、15分で危険レベルまで車内温度が上昇します。子どもさんを車内に残すようなことが無いようにしましょう。

 

看護副部長