2月下旬になり、まだ寒い日が続いていますが、3月、4月になれば春です。季節の変わり目に増える精神疾患の一つにうつ病があります。
うつ病の代表的な心の症状としては、気分が落ち込む、何の希望もなく居なくなってしまいたい、いつも不安である、
今まで好きだったことを楽しめない、などがあります。身体の症状では、眠れない、食欲が無く味がしない、常に身体がだるい、
生理不順、性欲低下、などが挙げられます。
前述した症状が、幾つか該当するからといって、「うつ病」という訳ではありませんが、うつ病を疑うきっかけとなります。
また、周囲の方々が、普段の何気ないやり取りから、その兆候に気づいてあげることも重要になります。
うつ病ではないかと思ったら、自分だけ、或いは、家族だけで抱え込むのではなく、早めに専門の医師に相談することをお勧めします。
薬物療法では、抗うつ薬を主に用い、補助的に抗不安薬や睡眠導入薬を用いることになります。
最近では、ストレスを緩和する漢方薬を併用することがあります。心身に負荷がかかっていれば、それを明らかにして軽減していったり、
悲観的な物事の捉(とら)え方を修正していくことなどが有効とされています。薬物療法との併用で、徐々にではありますが、
症状の改善が期待できます。焦らず、ゆっくり療養することが肝要です。
医局員