うれしかったこと

精神科作業療法士に従事して、25年目を迎えようとしています。

色々な患者様と出逢いました。理想としている作業療法士にはまだまだ未熟ですが、

定年を迎える頃には一人前になれるのかなぁ・・・と考えます。

当院での作業療法室は、4人の作業療法士と作業療法アシスタントの5人で

入院中の患者様と一緒に作業療法に取り組んでいます。

 

今回は私が精神科作業療法士になって嬉しかったお話しをしようと思います。

 

実習では、沢山の患者様と関り、机上での基礎知識を臨床と照合しながら患者様の疾患や全体像について学ぶ以外にも

諸先輩方の動き方、患者様との関わり方、目配り・気配り・心配りなどを学びました。

実習も終わり国家試験対策をしながら今後の就職について考えた時、最初は小児分野に進みたかったのですが、

その当時に作業療法士の募集が無く次に興味があった精神科に進む事に決めました。

いざ働いてみると難しい・・・。「何でかなぁ~」の毎日です。失敗することも多く、辞めたいと思う事もありました。

そんなある日、関わっていた患者様が病棟間移動となりあまり関われなくなりました、

でも時々は会いに行き「今日は何しよった?」「作業療法に出た?」と話をしていました。

ある日、作業療法にその方が来て「あんたがおるかと思うてきちょったけど、昨日はおらんかったねぇ」と言われました。

今までとは逆になり私に会いに来てくれた様に思い嬉しくなりました。「そうよ、休みやったがよ。でも来てくれて嬉しい、ありがとう。」と

2人で笑いました。精神科実習で学んだ「HERA&NOW」と「THERE&THEN」を思い出しました。

「今ここで」は「あの時あの場所で」と繋がっているのです。一つ一つの小さな声かけが、

その患者様が私が居る作業療法の場所に行くことの動機づけに繋がりました。身体が動く為には心が動かないと難しいです。

その為には言葉も必要になります。精神科は奥が深いです。まだまだ患者様から学ぶことが沢山あります。

それを教えてくれたこの方に感謝しながら今日も作業療法室の扉を開きます。

「おはようございます!今日も1日頑張りましょう!」

作業療法室 主任